足尾地区の再生の足掛かりとしての「アカシア」

足尾銅山と「アカシア」

渡良瀬川の河川敷には無数の「アカシア」(ニセアカシアのこと)の木が生えています。
白い花が咲くと、ミツバチが飛び交い、ウグイスがさえずり、甘い花の香りが満ちていきます。渡良瀬川の河川敷に「アカシア」が群生するにはワケがあります。

その理由は「足尾銅山」。かつて足尾周辺は露出した岩肌が強烈な印象のはげ山でした。原因は銅の精錬過程から出た煙「亜硫酸ガス」の影響であり、他には銅を精製するための燃料の薪としての木の伐採。そして山火事 により約1,100ヘクタールの山の木々の焼失、それでもなお1,200キロ(当時)の坑道に落盤を防ぐために坑道内に木の躯体を組み、木材使用を続けた結果、はげ山となってしまいました。

その後は、公害への対策や技術の発展があり、今から100年前、治山事業として植樹が始まりました。この活動は今なお続いています。
足尾の山の植樹は土を入れることから始まりました。ふつうの樹木では育ちにくいため、荒れ地、痩せ地に強い植物として、外来種のニセカシアが選ばれたのでした。

5月~6月に長さ10~15cmほどの総状花序の花が咲くニセアカシアは、日本在来種ではなく、北米原産で明治8年頃渡来したもので、各地で野生化しています。植えられたものでは街路樹や土手、海岸防風林などで見かけ、野性化したものも同じようなところに生えています。

はげ山の緑化に植えられた例も多くあり、足尾銅山もその一つです。
その理由は、「アカシア」は豆科の植物で、根に根粒菌を宿すことです。
根粒菌は空気中の窒素を取り込んで植物の肥料をつくります。だから、豆科植物は痩せ地でも育ち、さらに、根の破片であっても流れついてそこから芽を出して自生するほど強い生命力を持っています。かくして渡良瀬川河川敷一帯は、「アカシア」の自生地となりました。
このニセアカシアは前述のとおり外来樹種であり、やたらとはびこる性質があるため、様々なところで伐採されたり、根絶するための措置がとられたりしています。
良質な蜂蜜を取るために残しておくべきなのか、在来樹種を脅かす存在であるから除去すべきなのか、難しいところです。少なくとも、それでも足尾のはげ山に緑は蘇りました。

 

ニセアカシアの効用

●重要な蜜源植物
ニセアカシアには馴染みがなくても、そのはちみつのほうはご存知なのではないでしょうか。はちみつを取る花として大変有名ですが、はちみつのラベルには単にアカシアと書いてあります。実際には別にアカシアという樹木もあるので、そのはちみつなのか?とも思いますが、ニセアカシアのはちみつが、現在「アカシアはちみつ」として流通しております。ややこしいですね。
はちみつを取るのに利用される植物は、トチノキ、レンゲ、クリ、サクラ類などが有名ですが、一番メジャーなのがニセアカシアです。
ニセアカシアは良い蜜を持ち、密質も上質であるので養蜂家に利用されています。

●ニセアカシアを薬用・食用に
ニセアカシアの花は春から初夏に、つぼみのうちに花穂ごと採集して日干しにします。樹皮は6~8月ごろ採集して日干しにし、また、葉はそのままで使用する。
成分は、花はロビニン(血液浄化剤に用いる)、葉は配糖体アカシイン、根にはアスパラギン、メチオニンなどのアミノ酸を含みます。利尿や小さな傷の止血に使用します。
食用には、春の総状花序をてんぷらにして利用することもあります。
葉には他にも粗蛋白約20%を含むことから家畜飼料にも利用したようですが、人間が誤食すると中毒します。

●ニセアカシアの材の利用
堅硬ですが割れやすい。しかし、切削・加工・乾燥は困難で、心材の耐不朽性が極めて大きい特徴があります。
耐不朽性から枕木、杭、支柱、帆柱に利用し、材が硬いことから、木釘、指物、車輛、包装に利用しました。
樹皮は軽く、耐水性があるのでその繊維を利用し、帽子、洋服心地、座布団、敷物材料とし、樹皮くずは壁紙にしました。
花は芳香があるので香油原料になります。

 

かじか荘のはちみつ

もちろん、本ホテルのはちみつはすべて足尾の「アカシアはちみつ」です。

様々なところで言われているように、はちみつには、健康食品や美肌に効果があることがわかってきています。

当ホテルの庚申の湯は美肌の湯です。

ツルツルになるということはアルカリ性が強いということで、湯上がりにはスキンケアが必要であることが言われています。

当ホテルでははちみつのパック、シャンプーをご用意しています。

これも、足尾の自然が与えてくれた、新しい循環なのかもしれません。